古城のフーガ

焦がれる 揺れる 流される
古城に秘めたる爪弾きの吐息

顔を見せない幽玄のエキゾチックな陰影(かげ)
繋がらない一枚一枚の調べ折り返しながら
タンバリンのリズム足元に刻む

月明かりのその向こう
キミの深層描かれし古裂(こぎれ)
既に泣き出しそうな気配の
舌足らずな綻び見つけた

時の狭間でキミの苦悩と理由(わけ)
今更尋ねてみては
愚かな道化者だと一笑(わら)われるだろうか

報われなくてもいい 打ち捨てられても構わない
ただ輪廻の掟に奪われてみたいだけ

もう一度キミに逢えるのならば
その掟にこの身預けてみたいだけ

キミに もう一度 巡り会いたい

2006/4/21

title /‘Firewall’music by Are you photo by月とサカナ