海に抱かれて・・・ (vol. 102) 2004/7/13   遍く水を湛えて
この海は柔らな光で海底を射す

悲しみを燃やす花も
戸惑いを纏う木も
すべてを抱(いだ)きながら
この海は慈しみで
波の際を浚(さら)

ある日小船で 漕ぎ出た
漁師のように
雄雄しく気高い心で

あらゆる海で
男たちが隠した涙を 受け留めた
海神のように
広く慈悲深い心で

それぞれ
HITOの想いを包み抱きて

海が遣わした鳥よ
どうか そのかわいい瞳で
愛を探してきておくれ

その幼気(いたいけ)な姿で
HITOの痛みを鎮めておくれ

今日の憂鬱を優しい風に替えて
その柔らな羽根で癒しておくれ

海がわたしに囁いた
「HITOは寂しいものだけど
決してひとりじゃないのだよ・・」

海がわたしをそっと抱き寄せた
そして 優しく口づけをくれた
*Thanks*
photo by おしゃれ探偵