記憶 (03)
南風を体に感じながら
ふたりで街路樹の中を歩く
無言のまま・・
風に髪が絡みつく
立ち止まったあなたが
何か言いたげに・・
私を見つめる
次は?
聞けない言葉を
飲み込むと・・
あなたの目も悲しそう
この街路樹が切れるところ
それぞれの一日が
はじまる場所ね
モーニングコーヒーの
ほろ苦さと熱い香りを
体が記憶する初秋の朝・・・